誰のためのデザイン? を今更ながら読んでみた
どうも意識低いことで定評のある私です。
デザインの本というと、広告系ADの人が書いた本や、ADC年鑑やArchive、ブレーンなどを中心に読んできたので、インターフェースやサービス、プロダクト寄りの本とはあまり接点がありませんでした。 しかしここ3年で仕事内容がガラッと変わりまして、いろいろ勉強したりしていく中で、基礎的な知識を得るために本を読んでおこうと。
というわけで今回の本はこちらになります。
誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
- 作者: D. A.ノーマン,岡本明,安村通晃,伊賀聡一郎,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: 単行本
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インターフェースやサービス、プロダクト寄りのデザインをされている方にはおなじみの本ですね。 誰もが「あー読んだ読んだ」という本。
おじさん、これから読むよ。
目次
第1章 毎日使う道具の精神病理学
第2章 日常場面における行為の心理学
第3章 頭の中の知識と外界にある知識
第4章 何をするかを知る―制約、発見可能性、フィードバック
第5章 ヒューマンエラー?いや、デザインが悪い
第6章 デザイン思考
第7章 ビジネス世界におけるデザイン
今回読むのは改訂版で、初版以降に出版された著書からの引用など盛り込んで、かなりのボリューム追加された増補版とのことでした。 初版読んでないからどこが追加されたのかはわからないけどね。
第1章 毎日使う道具の精神病理学
「良いデザイン=発見可能性と理解」を中心に描かれている。
この業界でよく聞かれる、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語「アフォーダンス」の意味がわかりやすく書かれてる。 実際アフォーダンスという言葉を使って物事を説明するのが結構難しいと感じた。むしろ「シグニファイア」が説明時に使いやすい言葉だなぁと。 (ドアは開けることでその先に行けるということをアフォードしていて、ドアノブは開けるという行為をどうやって行うかをアフォードするシグニファイア的な??)
あと、すごくヒットした言葉「概念モデル」
概念モデル=極めて簡素化された、あるモノがどう動くかについての説明 ↑ハサミの話が発見可能性についてめっちゃわかりやすい!(概念モデル含む)
うまくいかない時にユーザーをガイドする概念モデルの提供が重要、何がうまくいっていないのか理解できて、うまくいっていない部分を修正することができる。そうでないと、うまくいっていないことを自己解決できずにただ苦労させて事態を悪化させてしまう。←エラーをフィードバックしないとほんとにそこで止まっちゃうからね。
「時計はスマホに取って代わり、便利になって小型化複雑化してきて、逆にシグニファイアを配置しづらくなってきてる」のは確かに。ジェスチャーの標準規格化なんて、文化レイヤーの段階で相当難しいだろうなぁ。
自分の専門分野からの視点を放棄、購入する人と使用する人の視点からデザイン。という話はまさにだと思う。常に自分のデザイナー的な視点は一旦忘れるを心がけてネガティヴチェックをやってるけど、専門分野の視点の人には中々理解してもらえない。納得させるのはホント難しい。
第2章 日常場面における行為の心理学
章題のとおり、日常生活における人の行動を分類して紹介している。デザインは人の行為を阻害してはならないし、溶け込まなければならないから、行為の中でいかに問題を解決していくかのアイディアのヒントを探る方法として結構「うぉおお」って思った。
人が何かを行うときの2つの隔たり
- それをどう動かすのか理解しようとする行動における隔たり
- 何が起きたのかを理解しようとする評価における隔たり
"使うことの難しさの元はデザインにあって、使う人のではない。"←いい言葉
行為の7段階理論 実行=プランニング、解釈、実行 評価=知覚、解釈、実行 ゴール
【例】
- ゴールの形成(何をどうしたいか) =寒くなってきたから身体を暖めたい
- 行為のプラン(ゴールのためにどんな方法があるか) =暖房付ける?毛布をかける?厚着をする?温かいスープを飲む?
- 詳細化(2から選出したプランをどう実行するか) =暖房をつけよう、自分で付けに行くか?誰かに頼む?リモコンで操作する?直接スイッチを押しに行く?
- 行為系列の実行(3で決めたことを実行) =リモコンでスイッチを入れてみよう!
- 外界の状態の知覚(4を実行した結果どうなったか) =暖かくなった!
- 知覚したものの解釈(5の結果について考える) =電源が正常に入って、温度設定が快適だったので部屋が暖かくなり身体が暖まった!
- ゴールと結果の比較(やりたいことと結果に違いはないか) =やりたいことができた!
「人は1/4インチのドリルが欲しいのではない、1/4インチの穴がほしいのだ」セオドア・レビット └それは途中のゴールであり真のゴールではない。人は棚を取り付けたかった、そして本を置きたかった。真のゴールはこれ。そして隔たりとして、本の体積、補完スペースなどがあり、それを解決する手段として棚を設置するという一つのプランがあるだけ。別のプランとして電子書籍を買うという道もある。 という話。
なるほどなーーーーー。この視点はいろいろ問題解決のアイデアを広げるにはすごくいいっすね。こういう考え方で物事をもっと細かく見ていかなければ。
三つの処理レベル
本能的…最も潜在意識的。好きか嫌いか、安全か危険かなどの判断が全て。美的意識もここ。美しいデザイン。気持ちいいインタラクションなど。
行動的…だいたいが潜在意識的。ゴール(行動に対する期待)意識を意識すれば行動そのものは意識しなくとも伴う(コップを持つ時と生卵を持つ時の持ち方や力加減の違いなど) フィードバックはとても大切。期待に対してネガティヴな結果を生んだとしても、フィードバックがあるかないかでその後の反応が学習による補正になるか、制御感の喪失による不安・混乱になるかが変わる。
内省的…最も意識的。認知して熟考する。状況、行為、結果を評価し、非難・責任を考える。 情動と密接に関わっている。 内省レベルでの感情は最も持続的。 商品を人に勧めたり逆に使わないようにさせたりする感情は内省レベル。本能レベルで素晴らしい結果をもたらしても、行動レベルで使いづらかったりすると、内省レベルで悪い評価となる。
簡単すぎると退屈感を覚え、難しすぎると無力感や不快感を覚える。簡単すぎず、適度に難しいものを乗り越えた時、継続的な進歩と成功を伴う一定の緊張により、時に何時間にも及ぶような、惹きつけられ没入する経験を得られる>それをフロー状態という。
物事がうまくいかなかった際、フィードバックがこない、遅れていたりすると、人は自分が誤った操作をした、ちゃんとボタンを押せてなかったなど自分と因果関係を関連付ける傾向がある。また、環境や人の性格のせいにしたりする。>誤った概念モデルのせいであることが多い。
【著者からのアドバイス】
- あなたの製品を正しく使うのに失敗した人を責めない。
- 人が困難に感じている部分を、製品を改善できるシグニファイアだと捉える。
- 電子機器あるいはコンピュータシステムから全てのエラーメッセージを排除し、代わりにヘルプやガイドを与える。
- ヘルプやガイドのメッセージから直接問題を修正できるようにする。人がタスクを継続できるようにする。すなわち進行を妨げない。滑らかで連続的に行えるよう助ける。最初からやり直させるような事は絶対しない。
- 人がしたことは部分的には正しいと考える。したがって不適切なときには、ガイドを与えて問題を修正できるようにして、先に進めるようにする。
- 自分自身、そして自分とインタラクションふる人たちに対してポジティブに考える。
あざーーーーす!!!!!!!!
ヒューマンエラー>悪いコミュニケーション、悪いインタラクションの結果
行為の7段階理論 基本的なデザイン原則
- 何を達成したいか?
- 代替となる行為系列は何か?
- 今どの行為ができるのか?
- それをどうやっているのか?
- 何が起こったのか?
- それは何を意味するのか?
- それで良いか?私はゴールを達成したのか?
ざーす!!!あざーーーーす!!!!!!!!
【あとその他のメモ】 実行の質問に答えるのに役立つ情報>フィードフォワード 何かが起こった事を知るためのヒント>フィードバック
第3章 頭の中の知識と外界にある知識
頭の中にある知識と外界にある知識とを組み合わせて、日々の生活をうまくやっている。>人間の知識と記憶は不完全であるため、どちらか一方では不十分である。
↑認知科学的な話がほぼな章。
硬貨と紙幣の見分け方の違い
文化背景が違う国では硬貨と紙幣の見分け方のルールが違うため、 混同してしまう場合とそうでない場合が別れる。
↑昔作ったゲームのデザインで、オリジナルの硬貨を数十種類作った。画ゲームプレイ中に一瞬で見分ける必要があったため、色と形、大きさの組み合わせが完全に別れるようにこころがけて作ったことがある。あれ結構大変だったなぁ。
制約は記憶を単純化する
紙幣と硬貨の正確な見分け方(形、色、大きさ) 叙情詩の暗唱(テンポ、メロディー、曲の展開、韻を踏む、ストーリーなど) 無数のパーツからなる組み立て(部品の種類、取り付け場所、取付る仕組みなど) の様に、何かしら覚える事に制約を設ければ、記憶するべきことを単純化して正確に(結果的に間違わずに)行為を行うことができる。 その役に立つのが文化的背景や経験などアフォーダンスでありシグニファイアであり対応付けなどなど。
外界にある知識と頭の中にある知識のトレードオフ
↑科学的な話。日々の記憶のメカニズムについての説明。その中に「記憶の仕方とそれに対するデザインの考え方」という表があって、わかりやすくまとまってる!読み返しオススメ!
第4章 何をするかを知る―制約、発見可能性、フィードバック
4種類の制約>物理的、文化的、意味的、論理的
我々は実際には鍵と錠前に関心があるわけではない。鍵が閉められていても許可された人だけは入れる事を保証する何らかの方法が必要。
物理的な制約があるため、ネジとネジ穴や鍵と錠前など記憶と行為を容易にしている。
文化的な行動のガイドラインは、状況を解釈し行動を方向づけるための一般的なルールと情報を含んだ知識構造(スキーマ)で頭の中に表現されている
文化的制約は時間とともに変わる。(ヘッドライトの色や、サイレンの色など)
意味的な制約は我々の持つ状況や外界に関する知識に依存している。 そして時とともに変わっていく。(クルマが自動化されれば車の後部のライトはブレーキをかけている事を示す必要がなくなり、無くなるか、別の意味のものに変わるかもしれない)
論理的な制約によって、自然な対応付けが機能する。(レゴのバイクを組み上げる時、青いランプがなんなのかは多くの人にわからないが、他のすべてを取り付けられたら、残る部品はこいつだけになり、付けられる場所も1つだけになる)
慣習は、その文化をよく知っている人に強い行動制約を与える。
活動中心の制御>ニーズをわかっていて様々な種類の制御装置を一箇所にまとめている 機器中心の制御>できることは活動中心の制御と同じでも、様々な種類の制御装置は用途に応じて違う場所にあったりする。
"どんなに用途を想定して自動化したシステムでも、想定外も含めて手動制御を残すべきである"
強制選択機能
安全性などの観点から、不適切な振る舞いを防止する際のシステム(鍵を持っていないとドアが開かない、エンジンがかからない等)
インターロック
レンジ稼働中にドアをロックしたり、トリガーから手を離したら電ノコが止まったりするアレ
ロックイン
アプリを終了するときに保存されていないデータがある事を知らせたり、自社のコンテンツを競合他社のシステムでは動作させないようにしたりするアレ
ロックアウト
ベビーロックやコンセントカバー、消化器のピンなどのアレ
慣習は文化的制約
慣習が変わる>前とは違うという事は欠点になり得る。 例に出てくる予約式エレベーターまだ乗ったことないな。乗ってみない事にはなにが煩わしくて何が問題かわからん。 文化的制約といえば「フィート」マジほんとやめてほしいわアメリカさん。。
蛇口の温度と流量の制御パターンいいね。うちは最後の「温度と流量を1つで制御」です。
音のシグニファイアは、今起こっている、ユーザーにとって必要で、しかもその音がないとわからないようなことを伝えなければならない。 (電話しようとしている時のツーツー、TVの放送電波がない時のポーーー等)
自動車の音は、その存在を示す重要なシグニファイア。 だから電気自動車の音のデザインは重要。
スキュオモーフィック
新しい技術や機器は、出始めのころは古いものを真似たものが多い。最終的には新しいカタチをしたものになるが、スキュオモーフィックは移行の手助けになる。
第5章 ヒューマンエラー?いや、デザインが悪い
産業事故の75-95%はヒューマンエラーと言われる。だがほとんどの場合、デザインが問題。 エラーが起こった時「犯人を見つけるて罰を与える」では問題を正すことができない。エラーが起こった時、何故そうなったのかを突き止め、次に製品や手順をデザインし直して、二度と起こらないか、もしもの時に影響を最小限にするようにしなければならない。
根本的原因解析
人が実際に誤った意思決定や行動をした時、何がその人を誤らせたのかを見つけるべきという事。
↑F-22がヒューマンエラーで墜落したとする時の問題を5つの何故に当てはめる
《スリップ》
ゴールは正しいのに必要な行為が適切におこなわれないとき、実行に欠陥がある時におきる。行為ベースのスリップ>コーヒーにミルクを入れた後、コーヒーカップを冷蔵庫に入れてしまった。 記憶ラプスのすりっぷ>夕食の調理をした後、コンロのガスを消し忘れた
《ミステーク》
ゴールかプランが間違っている時におきる。
ルールベースのミステーク>適切に状況を見ているが、誤った行為を選択してしまうため誤った規則に従ってしまう。
知識ベースのミステーク>燃料の量をキログラムではなくポンドで計算してしまった。
記憶ラプスのミステーク>整備士が注意散漫であったため、すべての故障点検ができなかった。
■スリップの種類
乗っ取り型スリップ
状況によって定義される。 ある行為を行おうとした際、望んだ行為ではなく、それと近似する頻繁にやっている別の行為を行ってしまう事(別の行為に乗っ取られる) 出だしの段階が同質でその後分岐するような手順は避けるべき
記述類似性スリップ
行為の対象に発生するエラー。 望んだ対象ではなく、対象と類似した別のものに対して行為を起こしてしまうこと。 異なる目的のための制御部や表示部が充分異なるように設計すべき。
記憶ラプス(物忘れ)スリップ
エラーの一般的な原因。 何かをしている最中に別のことに気を取られてしまい元の行為を忘れてしまう。
モードエラースリップ
1つの制御に複数の機能が備わっている場合に起こる。 混乱とエラーを引き起こしやすい。
モードエラーはデザインのエラー、デザイナーはユーザーの活動を妨害するものに常に対処しておかなければならない。
ミステークの分類
間違った選択をしたり、状況を間違えて把握してしまったり、関連する要因をもれずに考慮する事ができないような場合の事。
人間の行動は主に3つに分類される byイェンス・ラスムッセン(デンマークのエンジニア) スキルベースの行動は、熟練していてほとんど無意識的に行われる行動。エラーの原因はスリップであることが多い。
知識ベースの行動
既存のルールやスキルの知識に対する行動。この際に、知識レベルで想定外のイベントが発生した際にエラーが起きやすい。
ルールベースの行動は、「もし〇〇なら【適切な□□】をする」などの場合に、間違ったルールを適応してしまうとそれがミステークとなり、ルールの実行時にエラーとなれば、たいていスリップとなる。
ルールベースのミステークは回避が難しい。
デザイナーは現在の状況を、明確に一貫した簡単に分かる形で(理想的には)図形で表示してガイドする。←ソレはとてもむずかしい
事後的意思決定→事象が起こったあとは、何が起きたのか知っているため、どの情報が妥当であるか・そうでないかを容易に選び出すことができる。 事象発生中は、多くの関連した情報より、あまりに多い無関係なノイズに圧倒され、どれに耳を傾けるべきなのかは判断できない。
デザインのチャレンジ>システムの状態(監視している機器、乗り物、プラント、あるいは動き)についての情報を、取り入れやすく、解釈しやすく提示しながら、また同時に違った面からの説明や解釈を提供することにある。
知識ベースのミステークは、状況が新しすぎて適応できるルールやスキルがない時に起きる。 新しい手順を考案しなければならないため、行動は意識的なものとなる。解決法として、マニュアルなどを用意する必要もある。
記憶ラプスのミステークは、割り込みによって現在の状態の評価を忘れてしまい、ゴールやプランが間違ったものになりスリップではなくミステークとなる。 関連する情報を継続的に利用できるようにして防ぐ。
"社会的圧力は、誤解、ミステーク、事故につながる"
↑テネリフェ島の事故の件が例として上げられている。身近な部類としてダイバーの重りと浮力の話も。
トヨタ生産方式 自動化(ニンベンのついた自動化)
エラーを報告させ、次の工程に影響を及ぼす場合には全製造ラインを停止する。 エラーをみつけるため何度も「なぜ」を繰り返す。 エラーを報告しなかったものを罰する。
初心者はスリップよりミステークを犯しやすい
熟練者はスリップを犯しやすい
"マルチタスクはパフォーマンスの低下、エラーの増加、質と効率の日常的な不足が起きるという証拠が既にある。"
↑実際そうなんだけど、そうしないとならない状況が多いからなんともいえん。
警告のシグナルのデザイン
気づいてもらうほどに大きく、あるいは明るくしなければならないが、迷惑や注意散漫になってしまうほどにはしてはならない。 注意をひくと同時にシグニファイしているイベントの性質についての情報を伝える必要がある。
アンドゥーは電子システムの中でエラーの「影響」を最小限にする最も強力なツール
↑1日に何回アンドゥーしてるんだろう自分は…
レジリエンス・エンジニアリング
外的要因に対して、破壊とダメージを最小限におさえ、サービスを復元できるようにデザインすべき。
自動化のパラドックス
自動化は単純でつまらない作業を肩代わりしてくれるが、複雑なものでは失敗する、
"自動操縦の車によって事故や怪我は減らすことができるだろうが、もし事故がおきたら、巨大なものになると予想される。"
第6章 デザイン思考
ほぼコレのために読み始めたようなもの。 何かを設計するときに、問題の原因をさぐり、発散・収束させて適切な解決策を導き出していくプロセス。なのかな? 与えられた課題について考える前に、その課題について掘り下げて本当の課題を見つけてより精度高く問題解決していこうッて言うような話だと思ってる。
解決を求められる問題は常に本当の”問題”ではなく”症状”である。
デザインにおいての成功の秘訣は、なにが本当の問題なのかを理解すること。
我々デザイナーが焦点を当てるべきことは、作りだされたものが、人間の展望、ニーズ、能力にあっていることを確実にするすること。 我々はなぜ製品を作るのか=人が使うため
デザイン思考のプロセス
対処すべき基本的で根源的な課題は何かを見極める>本当の問題が何であるかを見定めるまでは解決を探さない>立ち止まって広い範囲から可能な答えを探す>最終的に提案を収束させてく
《デザイン思考の協力な道具》
人間中心デザイン(HCD)
望みのタスクを完成させ、使用経験がポジティブで楽しい、ということを確実にするプロセス 正しい問題を解決することと、それを人間のニーズと能力を満たすやり方で行うことに重きをおく。
ダブルダイヤモンドモデル
正しい問題を見つける→正しい解決を見つける この2つのフェーズアプローチのことを「英国デザイン協議会」がダブルダイヤモンドと呼んでいる。
4段階のプロセス
正しい問題をみつけるフェーズ 探索、定義 正しい解決策をみつける発散と収束のフェーズ 展開、提供
人間中心デザインプロセス
観察、アイデア創出、プロトタイピング、テスト
観察
デザインされた製品やサービスが実際に使われると想定される場所での観察 興味、動機、真のニーズを理解する 人々が達成しようとする目標、体験する障害を深く理解する。
応用エスノグラフィ
観察対象者の年齢、学歴、収入以上に重要なのは、行われる活動。広く異なった文化の人たちを見ても、その活動は似通っている事が多い。 ローカルな環境と文化が活動をどう変えているかを考慮しつつも、活動自体に焦点を合わせる事ができる。
デザインリサーチはダブルダイヤモンドの両方を支える。
正しい問題をみつけるには人々のニーズに深く理解を必要とし、適切な解決策を見つけるためには対象となる母集団と人々の活動の仕方、能力や以前の経験、文化的な影響なのに理解を示す必要がある。
2つの異なる調査方法
1. 質的観察方法 時間がかかるため通常は数人を調べる
2. 大規模な量的調査 質問紙や意識調査で数100人を対象として調べる
体系的で定量的なマーケット分析
ビッグデータ、マーケットアナリティクス、ABテスト
"デザインの仕様には、マーケティングとデザイン、購入と使用の両方を加味しなければならない。"
アイデアの創出
ブレストが一番
- 数多くのアイデアを創出せよ。
- 制約を気にせず、創造的であれ。
- あらゆる事を質問せよ。
プロトタイピング
アイデアが本当に妥当かを知る唯一の方法はテストする事 解決策に対して素早くモックやプロトタイプを作る。
ウィザード法
製品開発の初期に力を発揮する 全能のようで全て偽りである
テスト
対象となる母集団に出来る限り一致する小グループを作る 実際に使用するのに出来るだけ近い方法でテスト 通常一人で使うものなら一人づつテスト グループで使うのが普通ならグループでテストする 二人組になってもらって、使用する側、操作を支持する側になって、結果を声に出して報告する。 調査後は歩みを辿って行動を思い出してもらい、質問をして人々の思考プロセスの、より詳細な情報を取得
調査人数は5人くらいが理想。5人を個別にテスト、改善後、別の5人でテストを繰り返すことで複数回の反復となる。
反復
- 役割=継続的な改良と拡張ができるようにすること
- 目標=ラピッドプロトタイピングとテスト
- IDEO デイビッド・ケリー「たくさん失敗し、素早く失敗する」
入念なテストと修正によって物事がよくなる 失敗は推奨されるべきであり、それを失敗と呼ばず学習経験と呼ぶべき
正しい要求(正しい問題と適切な解決策)は人が自然な環境にいるところを観察することで作られる。
人は必要な物事を考えるとき、自分たちが直面する日常の問題を考え、大きな失敗や大きなニーズについてはめったに気づかない
調査とテストを繰り返す
観察し、調査する。どこが機能し、どこが機能しないか見分ける。繰り返すことによってアイデアは明確になり、仕様がはっきりし、プロトタイプはより製品に近いものとなる。
このプロセスの終了は、プロダクトマネージャーの責任。スケジュールとコストのせいやくをまもりながrあ満足のいく高い品質のデザインを得るのはデザインチームの責任。 どれだけ多くの時間が費やされようが、最終結果は締め切りの24時間前に出てくるもの。
↑まぁねw
活動中心デザインと人間中心デザイン
活動中心デザイン=全く異なる、異質の人々すべてに適応できるようにするデザイン
↑自動車、PC、電話、テレビなど。多少の地域差はあれどほとんど同じ製品。 なぜうまくいくのか?それは世界中の人間の活動は概して似通っているから。 勝手で不可解な要求を持つようなシステムを学ぶのを嫌がるが、活動に不可欠と思えるものは喜んで学ぶ
自動車は複雑な操作を要求するけど人は車の運転をとてもうまく学習するという例が紹介される。
物事をよくするには活動を注意深く研究すること
タスクと活動の違い
"活動はタスクの集合体"
あー、そう考えると活動っていうものを捉えやすいね。 そんで改善できる部分などを観察する際もタスク別に重点を置いて観察できるし、俯瞰してみる際にも的がズレないんじゃないかな。
目標のレベル
- あるべき目標
- 実行目標
- 動作目標
iPodの例が紹介されてる。
"デザインの要求が活動と調和していたら、人は複雑さに耐え、何か新しいものを学ばなければならなくても我慢する。"
ザックリ言うとコレしかない需要の上位互換だね。そんで、その中にはテクノロジーの進歩とともにどんどん完全されて言ってるっていうお話。
反復デザインと線形ステージ
伝統的なウォーターフォール法>ステージゲート法
フェーズで区切られて、管理レビューで進捗が評価され次のステージへ向かうかの判断がなされる。
広告の時の話だけど、大きいクライアントとの仕事で、管理レビューにはいると全世界の重役をたらい回されて1ヶ月止まるとかザラだったな。よくよく考えると、カンプをざっくり作って担当プレゼンして修正を繰り返して次のフェーズにいって、そこで精度上げて…を繰り返して最終的に納品してたな。あれはあれで一概に悪いとはいえないやり方だったのかなー。
DAノーマンの製品開発における法則
めっちゃあるあるだわ。。
デザインの挑戦
人のためのデザインの基本原則はすべての分野を通して同じ(カメラのデザインから会社の組織構造のデザインであっても)
製品は複数の矛盾する法則を持つ
製品を購入する顧客は必ずしもエンドユーザーというわけではない。(エアコンを使用するのは住人でも、購入するのはアパートのオーナーかも知れない) 購入する人を調べることは、使用する人を調べることと同様に非常に重要。 すべての部門の代表者が、デザインプロセスのすべての間同席・共有することで全ての人を満足させるデザインができ、対立や懸案事項が発生しても、グループが一体となって満足の行く最善策を決めることができる。
スティグマ問題
特定の困難を抱える人に対する支援機器は、うまくデザインできて問題を解決できる製品でも、実際に使用してもらいたい人々からは居易される場合もある。人は自分の弱さを認めたがらないからである。負のイメージ=スティグマ
複雑なのは問題ではなく実際は混乱(わかりにくさ)が問題
- 複雑なもの=我々がそれに合わせる必要があること。
- 混乱=わかりにくいこと。
標準化は使いやすさの主要なブレイクスルー
- 標準化は時間がかかるが必要(時計のルール)
- 標準化に時間がかかるとテクノロジーが追い越す(HDTVの標準化の例)
はい。
と言う感じで、気になった部分のメモと、勝手なコメントが入り交じる雑なまとめでした。
あと第7章が残ってるんだけど色々忙しいのでまた今度。
融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
あけましておめでとうございます。
新年早々意識の低いわたしが、会社の人の奨めで読んだ本の感想メモなどを書いていきたいと思います。
融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論
この本です。
- 作者: 渡邊恵太
- 出版社/メーカー: ビー・エヌ・エヌ新社
- 発売日: 2015/01/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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デザインの話でよく聞く
「デザインはアートじゃなくて問題解決の手段」
っていうのがありますが、ソレを大前提として、 「結局何なのよ。今の御時世のデザインて何よ?」 と言う部分をより突っ込んでわかりやーすく書いてくれてる本です(雑
全章通して、心理学とかに基づいた「人とデザイン」について書かれておりまして、 少々取っつきにくいかなと思って読み始めてたんですが、実際のところ 「あ~なるほど、たしかにこういう視点で物を見るとデザインする上での重要な部分を見落とさないかも」 とすら思えてきます。あと他の本読みたくなる。
本来は章ごとに感想を述べていきたいんですけど、前後が結構密接に絡み合ってて区切って説明しづらいので、 ざっくりメモと感想を交えながらつらつら書いていけたらと思います。
<もくじ>
第1章 Macintoshは心理学者が設計している
第2章 インターフェイスとは何か
第3章 情報の身体化ー透明性から自己帰属感へ
第4章 情報の道具化ーインターネット前提の道具のあり方
第5章 情報の環境化ーインタラクションデザインの基礎
第6章 デザインの現象学
第7章 メディア設計からインターフェイスへ
第1章ではAppleのMacOS、iOSなどのGUIの設計などがどういう理由で作られてるのかという考察から、 「人間はどのようにものを見て、使っているのか」「端末がPCからスマホやタブレットなどへシフトして行く中での体験のデザイン」などを紐解いてくれてます。
この本、「メタメディア」という言葉が終始登場するんですが、初めて聞きました。
メタメディア=何にでも見立てられる自由度を持ったコンピュ ータの本質
コンピュータ=道具ではなく、コンピュータにインストールされたアプリなどが道具でありメディアになり得るもの。
というような解釈で読み進めていくとなんとなく理解できますw
第2章からでてくる「道具の透明性」とはなんぞやと思いましたが
「金槌を持って釘を打つ時、金槌を持ってることを意識してますか?意識は釘を打つ事に向いていて金槌を持つ事に集中はしてないよね?この瞬間、金槌と言う存在はあなたにとって透明なのですよ、金槌までがあなたなのですよ」 っていう話で、「ああ、確かに、デザインする上でコレ意識しないとダメだよね、こういう体験させないとだよね」っておもいました。
- 「 よくやる」ことには無意識ながら人間が環境から価値を汲み取っており、それがデザインのヒントになる
- あることを十分に理解すると、人間はそのものを意識しなくなる。
- インター フェイスの設計= 道具や画面の設計ではなく、「人々のいつもやっていること」をつくる日常の風景の設計
↑で書いている「金槌を持って釘を打つ」が自分の意図した行動で「自分で手を制御して金槌を持ち腕を動かして釘を打つ」ことができているとそれが自己帰属感だとおもってます。
- 著者の開発したVisualHaptics、味ペンと言うシステムで、画面の中のカーソルに「感触」を与える実験が面白くて、実際に触ってみたい。。
- 制御できているからこそ、「自分の」手足という考えはなるほどと思った。
- 道具の透明性、自己帰属感は「自分が制御できる身体の範囲/能力の拡張」としてデザインを考えられる気がする。
第4章、ビッグデータのくだりでインターフェイスは「 人間の暗黙知を形式知に変換する」といっており、一つの例として紹介されている「喉が渇いたことをセンシング」する例が面白いです。
- ググるは易し、行うは難し
- 情報の道具化は「情報をデコードする作業の支援」のためのインタラクション
- ↑をすることによって人は記号化された情報を見ることなく実体⇔実体のコピーができる
- 良いシステムは、人にとって楽しく、使い続けたいを思わせる魅力を持っていることが必要。
第5章はインタラクションデザインについて語られてます。普段自分がデザインをする上で「常に初心者である意識」を念頭に置いて考えてて、それをうまく説明できててなかったのですが、そのへんが理解できました。
- 人の活動とメディアの関係を設計する事こそが「インタラクションデザイン」
- インタラクションデザインの目標はPCやスマホを使っているという意識がないまま直接コンピュータやインターネットの恩恵を受ける”透明性”をどうやって実現させるか
- "動き続ける人間"に対し「動きを阻害しないこと」は、生活の流れに融け込み、それが人間の意識にとっての透明性を得るデザインになる。
- 人間は制御出来ない余暇時間を持つと、興味が高くない情報であっても自らそれを見ることを選択する。
- シングルインタラクションからパラレルインタラクションへ
プレユーザー=カメラを買って家においてある、かばんに入れて持ち歩いている段階の人 ユーザー=実際にそのカメラを構えて写真を撮る人
- サービスはユーザーの生活のごく一部でしか無い。人々の食事時間や入浴・睡眠時間はサービスのライバルであり、共存していかなければならない巨大なプラットフォーム
第6章「動きの中の知覚」「肌理」と言ったワードが出てきます。消える・出てくる等の動きのデザインがどう重要なのかをエンジニアさんと共有するときに説明しやすいかも。
- 人間は肌理の添加と削除から、まだある、もうない、といった遮蔽や、あるいは発生や消滅といった知覚を提供している
- 隠れ方をキチンとデザインすることは、その存在感やその世界の持続性を感じさせることへ繋がる重要な要素
- 2D+動き=3D 世界は2次元
第7章はいよいよ「じゃあ今からこの先重要になっていく考え方」ってなんぞや、って部分に迫っていきます。 章のあたまに 「情報は実体がない。物質こそリアルで確実なものだ」という価値観は揺らいでいる という一節があるが、Mp3で音楽を買う、オンデマンドでゲームを買うのが一般化し、AppleMusicやAWA、NetflixやHuluというストリーミングサービスの出てきてCDやDVDという実体を持つ安心感は今や過去のものとなりつつあるのは意識低い系を自負するわたしでもわかることなくらいわかることで、「ワンメディア、マルチインターフェイスの時代」というのはすごく納得いく。 テレビがテレビじゃなくなり、電話が電話じゃなくなるのはもうすぐそこにあるっていうことに寂しさとドキドキを感じながら、最終章を読み進めていくと、結構楽しいです。
いかがでしょう。わたしもちょっとだけ意識高くなったかな?ならないね!今年もよろしくお願いします。
“公共性x編集xテクノロジー"いってきた時のメモ的な Pt.2
前回のメモのつづきでっす。
第二部「ニュースアプリのUI/UX大激論」
日経電子版アプリを内製化した際に、いとうなおやさんと深津さんとコラボした話。
媒体の特性に合わせたニュースアプリとは?
「アクセスビリティ」
- どんだけアクセスしやすいか、逆にどれだじけ情報に到達するためにに邪魔なものを省くか。
- 色盲色弱の方、目の悪い方に対しても等しく観れる、アクセスできる事。
- 日経電子版=他のアプリと違って有料媒体です。
- 最初は色々詰め込もうとしたけど、「アプリってそういう機能入らない。シンプルにアクセスしやすいもの」をいうことで、がっつり機能・企画は消え去った。
「迷わないデザインであることが大前提」
- どの媒体でも喧嘩せずに平等に見えるようにするルール化。
- デバイスごとに合わせて行く部分は合わせ、全デバイス統一するものは統一させる。
- それぞれのルールに合わせて扱いやすくつくる。
「Web>スマホに行く際に邪魔になるものを排除」
階層が深いものとか(webだと検索で引っかかった階層にダイレクトに飛べるけどアプリは常にトップから行くからね)
Yahooニュースリニューアル時
Yahooは基本ニュースを配信しない、いただいて配信する媒体。
アプリではなくコンテンツが主役。
圧倒的に普通(特色のないものが特色)
ニュースアプリの理想
普通、使い方は話題にならない
慣れ親しんだ操作性を重要視、何もしないこと。
ニュースアプリは対応デバイスが少ないから、体験を良くすることをこだわってる
最近はWebで検索してからアプリに遷移できるようにしている。
アプリで見る>記事詳細にとぶ
収益をえる、体験を良くするために関連記事などのパーソナライズを重視している
【KPIとPDCA】
y:最終的な目的は継続率を上げる
長い間ずっと使ってもらうため、一時期どんなにいいボタンや機能だったとしても、
使われ続けないのであれば迷わず消す。
N:課金なので、継続率や課金率で回収するコンテンツを変えていまっせ、
ux:頭のいい人がビジネスモデル考えてユーザー集めるのは難しい
むしろユーザーを観察して欲しがってるもんを作って人集めてから、マネタイズで頭いい人つっこむ方がいいんじゃないか。
(深津さんの持論)
ベストプラクティス>プランB>ユーザーテスト
いちいちログインめんどくさいからログインなくそうとかも提案
OSのバージョン、デバイスの違いとどう付き合ってくか
アプリの場合、全体の3%のレガシーなユーザーをある段階で切りつつ新機能などを追加して前に進んで行っている。
ニュースアプリでは攻めてるけどWebに関しては届けることが目的だからどんな環境でも観れるように作ってる。
あたらしいニュースの見せ方
・一目瞭然でわかるツイッターのような見せ方が増えて、より深掘りしたい人だけが観れるようになる。
・情報量/多様性
・ツリ合戦みたいなのが起きることが課題
アップルの下タブバーは、左の1こに全力投球、一個右にいくごとに欲求のフローが設計されている。
パクリたい!!!!!!!ぱくりたい
日経のユーザーてあさの10分間で経済のニュースをガッと全部網羅できる設計にしていくらですっていう価値を提供していきたい。
アップルは百貨店的な設計(経済の記事と東スポな記事が混在していて、経済に集中できない)
NewsPicksってどう?新しい経済ニュースの見せ方
日経的にはあのコメント機能みたいに専門家たちのコメントをリアルタイムに読めるのはいいなぁとおもう
ただ盛り込んでいくと何が目的のアプリかわからなくなりかねないので
ニュース、データ、議論みたいに用途に分けてアプリを変えるのもアリなんじゃないか。。?(深津氏
ニュースアプリ、フォーマットが揃ってるのは安心して観れる、けどもメディアの特性や色を全部無くした状態でみまれるのは機械的で本当に伝えたい情報は見えないんじゃないか、さみしいんじゃないか。
メディアごとに最適化する的な
コンテンツに合わせたUIを作っていく。
情報の取り方が変わってきてるね
前の記事と次の記事の設計、流れを設計してニュースアプリが作れたらいいなぁ
今までとは違う見せ方(UI云々ていうか記事の価値を高めたりニュースを続けて読んだり流れを意識して読ませる体験を作っていくべき?)
evernoteみたいにユーザーが記事に対してコメントを書くことによってその記事の価値を高められるような
「僕たちはこう考えているよ」が見えるニュースってのいいね
朝起きたら今日知るべきニュース知ってるっていうのがベストプラクティスじゃないの。
究極は「記憶なんてしなくていいじゃない」
でもできないから朝おきたらリコメンドされた記事を出す機能があるぜよ。
広告モデル=収益だけど、それをどうユーザーにストレス感じさせない収益化させるか。
最終的にUIなくていいじゃない。脳に直接届けられれば。
ファシリテーション・グラフィックどくしょかんそうぶん
ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)
- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 22人 クリック: 124回
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第1章 <基礎編>議論を描けば話し合いが変わる
第2章 <技術編>ファシリテーション・グラフィック上達の6つのポイント
第3章 <実践編>ファシリテーション・グラフィックを使ってみよう!
第4章 <研究編>ファシリテーターの頭の中を解剖する!?
第5章 <熟達編>ファシリテーション・グラフィックを極めるために
ざっと上記が本書ラインナップです。
仕事がらMTGの際にファシリテーターとして会議を進行すべきっていうことで、「まず何したらいいのかわからない」「ファシリテーターッて言われても」「グラフィック…絵苦手なんだよな」から始まる意識の低い私でさえ、
あ、できそう。
と思って次のアクションに繋げられています。勉強嫌い、読書嫌いな自分もびっくりです。
章ごとにざっくり感想まとめていこうとおもいます。
第1章 <基礎編>議論を描けば話し合いが変わる
基本的に「そもそもファシリテーション・グラフィックってなに?」から解説してくれていて、リスト型、マンダラ型、チャート型の3大基本フォーマットなど、後の章で述べる内容をざっくり説明してくれている。
それにしても、
- 「こんなことってよくあるよね、私もそうだった」と共感を呼ぶ導入
- 「でもこの手法をつかうだけでこんなに議論が活発化したよ」という引き込み
本書を読む前に読んだ「ビジュアルミーティング」にくらべ、日本人が日本人に向けて書いている本なので「こんなことってありませんか?」の導入部分が結構共感できてさくさく読み進めることができます。
ちなみにこの本です。
ビジュアル・ミーティング 予想外のアイデアと成果を生む「チーム会議」術
- 作者: デビッド・シベット,監訳:堀公俊,株式会社トライローグ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: 単行本
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↑これはこれでいい本なのでおすすめです。本書を読んでから読み直すとより頭に入ってくる気がしました。
<個人的メモ>
*個人メモリーからグループメモリーヘ
- ファシリテータが参加者の意見を書き記すことによりMTG参加者が「意見を聞いてもらえた」と言う納得感をえやすい。
- こんな時どうする?という現場での対処法みたいなのがコラムとして載ってるからイメージがつかみやすい。
*プロセス共有
- 議論のポイントをわかりやすくする
- ポイントに意識を集中させる
- 共通の記録として残す
*参加の促進
- 発言を定着させて安心感を与える
- 発言を発言者から切り離す
- 議論に広がりを与える
第2章 <技術編>ファシリテーション・グラフィック上達の6つのポイント
色の分け方とか、マーカーの太い細い面の使い分けテク、イラストや矢印など基本的な技術説明が前半、後半は3フォーマットで使用する記法、要約力などを掘り下げて説明している。1章で触れたリスト、チャート、マンダラの実践する際のスペースの取り方がちょろっと載ってて初心者にもわかりやすいかも。要約力の部分で、実践の中で生じる「日本人ならでは」な心理的な面での説明も本書のイイトコだと思います。
時折豆知識的なコネタをちょいちょい挟んできてて、ファシリテーターグリップ(ドヤァ)にちょっと笑ってしまった。ただ、会議に熱中してうっかりホワイトボードに油性マジックで書いてしまった時の裏ワザはいつか使おうとおもいます。(ただやってみたいだけ)
<個人的メモ>
*ロジカルリスニング、これデザイナーであれば割と得意な人多いのでは?というか出来ないと仕事受けられないよね。って思う。
*頭にマトリクスのようなものを思い描きながら話を聞く…瞬間的な脳内整理中に無理じゃないかな…?
*頭の良い人の独走を許すな。いい言葉だ(↑q↑) 質の悪いMTGあるあるだね。置いていかれて誰も参加できない。色々前提部分が意識高すぎて辛い事あるよね。
*ツリー型、サークル型、フロー型、マトリクス型、よくフローとマトリクス使うけど、ツリーとかサークルはファシリテーターとして慣れて来ないとムズそう。
*マーフィーの法則の件うけた。
第3章 <実践編>ファシリテーション・グラフィックを使ってみよう!
規模やシチュエーションごとに前2章に出てきたフォーマットを当てた事例を紹介している。書籍全体的に、実際のグラフィックの話以外にも、メンバーに対する対処方法や話の切り出し方など、自分がどう喋ると付いてきてもらえるか、まで書いてある。特にチャート型を用いる際の「型にはめられた議論に思われて参加者の納得感が得られずモチベーションが低下する恐れがあるから、事前に"このようなまとめ方はどうでしょう?"と同意を得た方がよい。」という部分に関しては、そこまで繊細に対応すべきなんだなぁと、自分の意識低さを感じた。
<個人的メモ>
最近はホワイトボードに描くタイプのファシリテーショングラフィックを実践中なのだが、そもそもの会議の展開を見越したレイアウトやスペース取りが苦手なので、消して書き直しの効かないノートでトレーニングを積むべきだろう。
第4章 <研究編>ファシリテーターの頭の中を解剖する!?
ファシリテーターが進行する際の考えや行動を説明してくれる。ケーススタディに対するシーンの説明、それに合わせた事前準備、会話上から、ファシリテーターが如何に情報を汲み取り、最終的にどのような形でスペースを使いながら書き進めていったのかを段階ごとに追っていける。会話文や、ポイントとなる動作なども、台本の台詞とト書きのように書かれている。 会話・思考と連動してファシリテーション・グラフィックが進行していくので、初心者でも実践がしやすく、章の最後には総括した内容が表にまとめられているので、困ったときは見返すと良さそうだと思った。
第5章 <熟達編>ファシリテーション・グラフィックを極めるために
本全体を読み終えて「さぁ始めるには?」を割りと具体的に解説。特に「それでも○○だった場合はこうしてみるのもあり」という風に挫折をさせない誘導の仕方をしてて、非常に読者に優しい。
“公共性x編集xテクノロジー"いってきた時のメモ的な Pt.1
9月17日、Yahoo!ニュースとエンジニアtypeの共催で行われたイベント「公共性×編集×テクノロジー〜ニュースメディアに求められる使命に、開発者はどう応えるのか〜」に行ってきた時のメモです。
第一部「公共性を支える編集とテクノロジー」
「Yahooニュースの100億PVを支えてるもの」
大切にしている事
- 伝えるべきニュースをいつでもどこでも届ける使命感>公共性と社会的関心
- Push通知の速報性や正確性
- 瞬間最高風速でも絶対に落とさない覚悟!!!
- 職種間のコラボレーション>エンジニア・編集者がタッグを組む
編集部からは苅田さん、開発部からは庄司さんが登壇。
Yahooニュース編集部は24名くらいが在籍。編集部らしく主にメディア出身者が多い。
選挙や五輪などは柔軟に対応し、災害などにも備えて全国4つの拠点を構えている。
逆に開発部は50名くらいおり、新卒できてる人が多いらしい。
「ニュースに求められるもの/ネットニュースに求められるもの」
ニュース:正確性
ネットニュース:重大なニュースにたいする確実制、スピード
>まぁそうっすよね
「Push通知のニーズが高まって来てる件について」
特に増えてきててめっちゃたまりやすい(競争はげしい)
例としては、速報性の高い、重大なニュース。
特に政治系のPush通知出すのに泊まり込み待機してます。人力です。
号外Pushのサーバー負荷は激しい、絶対に落とせない
データセンターも分散させてる。サーバーも並列化して負荷分散してる。
クラウドも物理もね。
【Push通知の失敗例】
最大5本、特に夕方は1時間おきにPush通知を打った。
結果アンインストール率ががっつり上がった。。。
専門性の高い情報(株価やスポーツなどカテゴリーがっつり分かれるもの)は
人によってはメッチャノイズ
【Push通知の課題と理想】
課題:
現状、アプリを使ってる人全員が受けている。
重要だが、地域性の高い情報が全国に届いていることについての住み分けがむずい
理想:
パースナライズしたい。
でも、地域とかでパーソナライズしたいけどもユーザーって取りたい地域のニュースって全然違う。
(大阪に居て北海道のニュース受けるとしても、多くの人には重要じゃなくてもすべての人ではない)
パーソナライズかけすぎるとジャンルカテゴリが偏りまくるから、どこまでパーソナライズして、どこからがより届けたい情報なのかの線引きを検討中。
「トピックスのA/Bテスト」
13文字で出した際のA/Bテスト実施中。
現在3本の見出しを走らせてデータをとってる(独自ツール開発)
見出しを判断するアルゴリズムつくらず、最終的には人間が判断してる。
(数字が良くても、釣り見出しとかだとニュースの公平性とかによろしくない)
例えば、「ダルビッシュ」を「ダル」と略すと、他の文字が入れられる分、より多くの情報を13文字に加える事ができるが、場合によっては一番クリック率が低いことも。
でもそれで単に「読まれていない」とはとらず、今後に生かすためにログをとっている。
↑の件も踏まえ、テストの結果CTRの高い見出しを自動で差し替えることはしない。機械判定では「ヒトの100%」を担保できない。
だから、「人間にしかできないことをテクノロジーで加速する」まさに職人芸!
ユーザーの解析と提供元の解析をガッちゃんこしてる。
記事の質の判断を解析して、最終ジャッジの手伝いができるようにし始めてる。
「編集部として人にしかできない判断などを強みとして、テクノロジーと合わせて展開していく」そうです。
「Yahoo!ニュースのここでしか聞けない○○」
Yahooニュースはある種NHK的な公共性もあるしでかいから、やりたくてもできない的なしがらみが出来始めてるのでは?
- Yahooはレガシーな印象を持たれてる(グノシーやスマニューに比べて)
- 様々なプロトタイプを作って良いものは採用している(常に)
ヤフコメの今後のスタンスについて教えて
- 反社会的な誹謗中傷を検知する機械学習もいれてる。けども、繊細な問題をはらむので(言論の自由など)検知をしたら、消さずにファーストビューに入らないよう目につかない部分に隠している。
- 昔に比べてだいぶ見た目綺麗になってる>人力×テクノロジーのチカラ!
- 実際社内やその上流からの声より、ユーザーからの声の方が多かった。
第二部は別の日に。