ファシリテーション・グラフィックどくしょかんそうぶん
ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法 (ファシリテーション・スキルズ)
- 作者: 堀公俊,加藤彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 22人 クリック: 124回
- この商品を含むブログ (116件) を見る
第1章 <基礎編>議論を描けば話し合いが変わる
第2章 <技術編>ファシリテーション・グラフィック上達の6つのポイント
第3章 <実践編>ファシリテーション・グラフィックを使ってみよう!
第4章 <研究編>ファシリテーターの頭の中を解剖する!?
第5章 <熟達編>ファシリテーション・グラフィックを極めるために
ざっと上記が本書ラインナップです。
仕事がらMTGの際にファシリテーターとして会議を進行すべきっていうことで、「まず何したらいいのかわからない」「ファシリテーターッて言われても」「グラフィック…絵苦手なんだよな」から始まる意識の低い私でさえ、
あ、できそう。
と思って次のアクションに繋げられています。勉強嫌い、読書嫌いな自分もびっくりです。
章ごとにざっくり感想まとめていこうとおもいます。
第1章 <基礎編>議論を描けば話し合いが変わる
基本的に「そもそもファシリテーション・グラフィックってなに?」から解説してくれていて、リスト型、マンダラ型、チャート型の3大基本フォーマットなど、後の章で述べる内容をざっくり説明してくれている。
それにしても、
- 「こんなことってよくあるよね、私もそうだった」と共感を呼ぶ導入
- 「でもこの手法をつかうだけでこんなに議論が活発化したよ」という引き込み
本書を読む前に読んだ「ビジュアルミーティング」にくらべ、日本人が日本人に向けて書いている本なので「こんなことってありませんか?」の導入部分が結構共感できてさくさく読み進めることができます。
ちなみにこの本です。
ビジュアル・ミーティング 予想外のアイデアと成果を生む「チーム会議」術
- 作者: デビッド・シベット,監訳:堀公俊,株式会社トライローグ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/04/19
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
↑これはこれでいい本なのでおすすめです。本書を読んでから読み直すとより頭に入ってくる気がしました。
<個人的メモ>
*個人メモリーからグループメモリーヘ
- ファシリテータが参加者の意見を書き記すことによりMTG参加者が「意見を聞いてもらえた」と言う納得感をえやすい。
- こんな時どうする?という現場での対処法みたいなのがコラムとして載ってるからイメージがつかみやすい。
*プロセス共有
- 議論のポイントをわかりやすくする
- ポイントに意識を集中させる
- 共通の記録として残す
*参加の促進
- 発言を定着させて安心感を与える
- 発言を発言者から切り離す
- 議論に広がりを与える
第2章 <技術編>ファシリテーション・グラフィック上達の6つのポイント
色の分け方とか、マーカーの太い細い面の使い分けテク、イラストや矢印など基本的な技術説明が前半、後半は3フォーマットで使用する記法、要約力などを掘り下げて説明している。1章で触れたリスト、チャート、マンダラの実践する際のスペースの取り方がちょろっと載ってて初心者にもわかりやすいかも。要約力の部分で、実践の中で生じる「日本人ならでは」な心理的な面での説明も本書のイイトコだと思います。
時折豆知識的なコネタをちょいちょい挟んできてて、ファシリテーターグリップ(ドヤァ)にちょっと笑ってしまった。ただ、会議に熱中してうっかりホワイトボードに油性マジックで書いてしまった時の裏ワザはいつか使おうとおもいます。(ただやってみたいだけ)
<個人的メモ>
*ロジカルリスニング、これデザイナーであれば割と得意な人多いのでは?というか出来ないと仕事受けられないよね。って思う。
*頭にマトリクスのようなものを思い描きながら話を聞く…瞬間的な脳内整理中に無理じゃないかな…?
*頭の良い人の独走を許すな。いい言葉だ(↑q↑) 質の悪いMTGあるあるだね。置いていかれて誰も参加できない。色々前提部分が意識高すぎて辛い事あるよね。
*ツリー型、サークル型、フロー型、マトリクス型、よくフローとマトリクス使うけど、ツリーとかサークルはファシリテーターとして慣れて来ないとムズそう。
*マーフィーの法則の件うけた。
第3章 <実践編>ファシリテーション・グラフィックを使ってみよう!
規模やシチュエーションごとに前2章に出てきたフォーマットを当てた事例を紹介している。書籍全体的に、実際のグラフィックの話以外にも、メンバーに対する対処方法や話の切り出し方など、自分がどう喋ると付いてきてもらえるか、まで書いてある。特にチャート型を用いる際の「型にはめられた議論に思われて参加者の納得感が得られずモチベーションが低下する恐れがあるから、事前に"このようなまとめ方はどうでしょう?"と同意を得た方がよい。」という部分に関しては、そこまで繊細に対応すべきなんだなぁと、自分の意識低さを感じた。
<個人的メモ>
最近はホワイトボードに描くタイプのファシリテーショングラフィックを実践中なのだが、そもそもの会議の展開を見越したレイアウトやスペース取りが苦手なので、消して書き直しの効かないノートでトレーニングを積むべきだろう。
第4章 <研究編>ファシリテーターの頭の中を解剖する!?
ファシリテーターが進行する際の考えや行動を説明してくれる。ケーススタディに対するシーンの説明、それに合わせた事前準備、会話上から、ファシリテーターが如何に情報を汲み取り、最終的にどのような形でスペースを使いながら書き進めていったのかを段階ごとに追っていける。会話文や、ポイントとなる動作なども、台本の台詞とト書きのように書かれている。 会話・思考と連動してファシリテーション・グラフィックが進行していくので、初心者でも実践がしやすく、章の最後には総括した内容が表にまとめられているので、困ったときは見返すと良さそうだと思った。
第5章 <熟達編>ファシリテーション・グラフィックを極めるために
本全体を読み終えて「さぁ始めるには?」を割りと具体的に解説。特に「それでも○○だった場合はこうしてみるのもあり」という風に挫折をさせない誘導の仕方をしてて、非常に読者に優しい。