意識低い系(仮)

意識低い系のおっさんがメモしているブログ

誰のためのデザイン? を今更ながら読んでみた

どうも意識低いことで定評のある私です。

デザインの本というと、広告系ADの人が書いた本や、ADC年鑑やArchive、ブレーンなどを中心に読んできたので、インターフェースやサービス、プロダクト寄りの本とはあまり接点がありませんでした。 しかしここ3年で仕事内容がガラッと変わりまして、いろいろ勉強したりしていく中で、基礎的な知識を得るために本を読んでおこうと。

というわけで今回の本はこちらになります。

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論

インターフェースやサービス、プロダクト寄りのデザインをされている方にはおなじみの本ですね。 誰もが「あー読んだ読んだ」という本。

おじさん、これから読むよ。

目次

第1章 毎日使う道具の精神病理学

第2章 日常場面における行為の心理学

第3章 頭の中の知識と外界にある知識

第4章 何をするかを知る―制約、発見可能性、フィードバック

第5章 ヒューマンエラー?いや、デザインが悪い

第6章 デザイン思考

第7章 ビジネス世界におけるデザイン

今回読むのは改訂版で、初版以降に出版された著書からの引用など盛り込んで、かなりのボリューム追加された増補版とのことでした。 初版読んでないからどこが追加されたのかはわからないけどね。

第1章 毎日使う道具の精神病理学

「良いデザイン=発見可能性と理解」を中心に描かれている。

この業界でよく聞かれる、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・J・ギブソンによる造語「アフォーダンス」の意味がわかりやすく書かれてる。 実際アフォーダンスという言葉を使って物事を説明するのが結構難しいと感じた。むしろ「シグニファイア」が説明時に使いやすい言葉だなぁと。 (ドアは開けることでその先に行けるということをアフォードしていて、ドアノブは開けるという行為をどうやって行うかをアフォードするシグニファイア的な??)

あと、すごくヒットした言葉「概念モデル

概念モデル=極めて簡素化された、あるモノがどう動くかについての説明
↑ハサミの話が発見可能性についてめっちゃわかりやすい!(概念モデル含む)

うまくいかない時にユーザーをガイドする概念モデルの提供が重要、何がうまくいっていないのか理解できて、うまくいっていない部分を修正することができる。そうでないと、うまくいっていないことを自己解決できずにただ苦労させて事態を悪化させてしまう。←エラーをフィードバックしないとほんとにそこで止まっちゃうからね。

「時計はスマホに取って代わり、便利になって小型化複雑化してきて、逆にシグニファイアを配置しづらくなってきてる」のは確かに。ジェスチャーの標準規格化なんて、文化レイヤーの段階で相当難しいだろうなぁ。

自分の専門分野からの視点を放棄、購入する人と使用する人の視点からデザイン。という話はまさにだと思う。常に自分のデザイナー的な視点は一旦忘れるを心がけてネガティヴチェックをやってるけど、専門分野の視点の人には中々理解してもらえない。納得させるのはホント難しい。

第2章 日常場面における行為の心理学

章題のとおり、日常生活における人の行動を分類して紹介している。デザインは人の行為を阻害してはならないし、溶け込まなければならないから、行為の中でいかに問題を解決していくかのアイディアのヒントを探る方法として結構「うぉおお」って思った。

人が何かを行うときの2つの隔たり

  1. それをどう動かすのか理解しようとする行動における隔たり
  2. 何が起きたのかを理解しようとする評価における隔たり

"使うことの難しさの元はデザインにあって、使う人のではない。"←いい言葉

行為の7段階理論 実行=プランニング、解釈、実行 評価=知覚、解釈、実行 ゴール

【例】

  1. ゴールの形成(何をどうしたいか)  =寒くなってきたから身体を暖めたい
  2. 行為のプラン(ゴールのためにどんな方法があるか)  =暖房付ける?毛布をかける?厚着をする?温かいスープを飲む?
  3. 詳細化(2から選出したプランをどう実行するか)  =暖房をつけよう、自分で付けに行くか?誰かに頼む?リモコンで操作する?直接スイッチを押しに行く?
  4. 行為系列の実行(3で決めたことを実行)  =リモコンでスイッチを入れてみよう!
  5. 外界の状態の知覚(4を実行した結果どうなったか)  =暖かくなった!
  6. 知覚したものの解釈(5の結果について考える)  =電源が正常に入って、温度設定が快適だったので部屋が暖かくなり身体が暖まった!
  7. ゴールと結果の比較(やりたいことと結果に違いはないか)  =やりたいことができた!

「人は1/4インチのドリルが欲しいのではない、1/4インチの穴がほしいのだ」セオドア・レビット └それは途中のゴールであり真のゴールではない。人は棚を取り付けたかった、そして本を置きたかった。真のゴールはこれ。そして隔たりとして、本の体積、補完スペースなどがあり、それを解決する手段として棚を設置するという一つのプランがあるだけ。別のプランとして電子書籍を買うという道もある。 という話。

なるほどなーーーーー。この視点はいろいろ問題解決のアイデアを広げるにはすごくいいっすね。こういう考え方で物事をもっと細かく見ていかなければ。

三つの処理レベル

本能的…最も潜在意識的。好きか嫌いか、安全か危険かなどの判断が全て。美的意識もここ。美しいデザイン。気持ちいいインタラクションなど。

行動的…だいたいが潜在意識的。ゴール(行動に対する期待)意識を意識すれば行動そのものは意識しなくとも伴う(コップを持つ時と生卵を持つ時の持ち方や力加減の違いなど) フィードバックはとても大切。期待に対してネガティヴな結果を生んだとしても、フィードバックがあるかないかでその後の反応が学習による補正になるか、制御感の喪失による不安・混乱になるかが変わる。

内省的…最も意識的。認知して熟考する。状況、行為、結果を評価し、非難・責任を考える。 情動と密接に関わっている。 内省レベルでの感情は最も持続的。 商品を人に勧めたり逆に使わないようにさせたりする感情は内省レベル。本能レベルで素晴らしい結果をもたらしても、行動レベルで使いづらかったりすると、内省レベルで悪い評価となる。

簡単すぎると退屈感を覚え、難しすぎると無力感や不快感を覚える。簡単すぎず、適度に難しいものを乗り越えた時、継続的な進歩と成功を伴う一定の緊張により、時に何時間にも及ぶような、惹きつけられ没入する経験を得られる>それをフロー状態という。

物事がうまくいかなかった際、フィードバックがこない、遅れていたりすると、人は自分が誤った操作をした、ちゃんとボタンを押せてなかったなど自分と因果関係を関連付ける傾向がある。また、環境や人の性格のせいにしたりする。>誤った概念モデルのせいであることが多い。

【著者からのアドバイス】

  • あなたの製品を正しく使うのに失敗した人を責めない。
  • 人が困難に感じている部分を、製品を改善できるシグニファイアだと捉える。
  • 電子機器あるいはコンピュータシステムから全てのエラーメッセージを排除し、代わりにヘルプやガイドを与える。
  • ヘルプやガイドのメッセージから直接問題を修正できるようにする。人がタスクを継続できるようにする。すなわち進行を妨げない。滑らかで連続的に行えるよう助ける。最初からやり直させるような事は絶対しない。
  • 人がしたことは部分的には正しいと考える。したがって不適切なときには、ガイドを与えて問題を修正できるようにして、先に進めるようにする。
  • 自分自身、そして自分とインタラクションふる人たちに対してポジティブに考える。

あざーーーーす!!!!!!!!

ヒューマンエラー>悪いコミュニケーション、悪いインタラクションの結果

行為の7段階理論 基本的なデザイン原則

  1. 何を達成したいか?
  2. 代替となる行為系列は何か?
  3. 今どの行為ができるのか?
  4. それをどうやっているのか?
  5. 何が起こったのか?
  6. それは何を意味するのか?
  7. それで良いか?私はゴールを達成したのか?

ざーす!!!あざーーーーす!!!!!!!!

【あとその他のメモ】 実行の質問に答えるのに役立つ情報>フィードフォワード 何かが起こった事を知るためのヒント>フィードバック

第3章 頭の中の知識と外界にある知識

頭の中にある知識と外界にある知識とを組み合わせて、日々の生活をうまくやっている。>人間の知識と記憶は不完全であるため、どちらか一方では不十分である。

認知科学的な話がほぼな章。

硬貨と紙幣の見分け方の違い

文化背景が違う国では硬貨と紙幣の見分け方のルールが違うため、 混同してしまう場合とそうでない場合が別れる。

↑昔作ったゲームのデザインで、オリジナルの硬貨を数十種類作った。画ゲームプレイ中に一瞬で見分ける必要があったため、色と形、大きさの組み合わせが完全に別れるようにこころがけて作ったことがある。あれ結構大変だったなぁ。

制約は記憶を単純化する

紙幣と硬貨の正確な見分け方(形、色、大きさ) 叙情詩の暗唱(テンポ、メロディー、曲の展開、韻を踏む、ストーリーなど) 無数のパーツからなる組み立て(部品の種類、取り付け場所、取付る仕組みなど) の様に、何かしら覚える事に制約を設ければ、記憶するべきことを単純化して正確に(結果的に間違わずに)行為を行うことができる。 その役に立つのが文化的背景や経験などアフォーダンスでありシグニファイアであり対応付けなどなど。

外界にある知識と頭の中にある知識のトレードオフ

↑科学的な話。日々の記憶のメカニズムについての説明。その中に「記憶の仕方とそれに対するデザインの考え方」という表があって、わかりやすくまとまってる!読み返しオススメ!

第4章 何をするかを知る―制約、発見可能性、フィードバック

4種類の制約>物理的、文化的、意味的、論理的

我々は実際には鍵と錠前に関心があるわけではない。鍵が閉められていても許可された人だけは入れる事を保証する何らかの方法が必要。

物理的な制約があるため、ネジとネジ穴や鍵と錠前など記憶と行為を容易にしている。

文化的な行動のガイドラインは、状況を解釈し行動を方向づけるための一般的なルールと情報を含んだ知識構造(スキーマ)で頭の中に表現されている

文化的制約は時間とともに変わる。(ヘッドライトの色や、サイレンの色など)

意味的な制約は我々の持つ状況や外界に関する知識に依存している。 そして時とともに変わっていく。(クルマが自動化されれば車の後部のライトはブレーキをかけている事を示す必要がなくなり、無くなるか、別の意味のものに変わるかもしれない)

論理的な制約によって、自然な対応付けが機能する。(レゴのバイクを組み上げる時、青いランプがなんなのかは多くの人にわからないが、他のすべてを取り付けられたら、残る部品はこいつだけになり、付けられる場所も1つだけになる)

慣習は、その文化をよく知っている人に強い行動制約を与える。

活動中心の制御>ニーズをわかっていて様々な種類の制御装置を一箇所にまとめている 機器中心の制御>できることは活動中心の制御と同じでも、様々な種類の制御装置は用途に応じて違う場所にあったりする。

"どんなに用途を想定して自動化したシステムでも、想定外も含めて手動制御を残すべきである"

強制選択機能

安全性などの観点から、不適切な振る舞いを防止する際のシステム(鍵を持っていないとドアが開かない、エンジンがかからない等)

インターロック

レンジ稼働中にドアをロックしたり、トリガーから手を離したら電ノコが止まったりするアレ

ロックイン

アプリを終了するときに保存されていないデータがある事を知らせたり、自社のコンテンツを競合他社のシステムでは動作させないようにしたりするアレ

ロックアウト

ベビーロックやコンセントカバー、消化器のピンなどのアレ

慣習は文化的制約

慣習が変わる>前とは違うという事は欠点になり得る。 例に出てくる予約式エレベーターまだ乗ったことないな。乗ってみない事にはなにが煩わしくて何が問題かわからん。 文化的制約といえば「フィート」マジほんとやめてほしいわアメリカさん。。

蛇口の温度と流量の制御パターンいいね。うちは最後の「温度と流量を1つで制御」です。

音のシグニファイアは、今起こっている、ユーザーにとって必要で、しかもその音がないとわからないようなことを伝えなければならない。 (電話しようとしている時のツーツー、TVの放送電波がない時のポーーー等)

自動車の音は、その存在を示す重要なシグニファイア。 だから電気自動車の音のデザインは重要。

スキュオモーフィック

新しい技術や機器は、出始めのころは古いものを真似たものが多い。最終的には新しいカタチをしたものになるが、スキュオモーフィックは移行の手助けになる。

第5章 ヒューマンエラー?いや、デザインが悪い

産業事故の75-95%はヒューマンエラーと言われる。だがほとんどの場合、デザインが問題。 エラーが起こった時「犯人を見つけるて罰を与える」では問題を正すことができない。エラーが起こった時、何故そうなったのかを突き止め、次に製品や手順をデザインし直して、二度と起こらないか、もしもの時に影響を最小限にするようにしなければならない。

根本的原因解析

人が実際に誤った意思決定や行動をした時、何がその人を誤らせたのかを見つけるべきという事。

F-22がヒューマンエラーで墜落したとする時の問題を5つの何故に当てはめる

《スリップ》

ゴールは正しいのに必要な行為が適切におこなわれないとき、実行に欠陥がある時におきる。行為ベースのスリップ>コーヒーにミルクを入れた後、コーヒーカップを冷蔵庫に入れてしまった。 記憶ラプスのすりっぷ>夕食の調理をした後、コンロのガスを消し忘れた

《ミステーク》

ゴールかプランが間違っている時におきる。

ルールベースのミステーク>適切に状況を見ているが、誤った行為を選択してしまうため誤った規則に従ってしまう。

知識ベースのミステーク>燃料の量をキログラムではなくポンドで計算してしまった。

記憶ラプスのミステーク>整備士が注意散漫であったため、すべての故障点検ができなかった。

■スリップの種類

乗っ取り型スリップ

状況によって定義される。 ある行為を行おうとした際、望んだ行為ではなく、それと近似する頻繁にやっている別の行為を行ってしまう事(別の行為に乗っ取られる) 出だしの段階が同質でその後分岐するような手順は避けるべき

記述類似性スリップ

行為の対象に発生するエラー。 望んだ対象ではなく、対象と類似した別のものに対して行為を起こしてしまうこと。 異なる目的のための制御部や表示部が充分異なるように設計すべき。

記憶ラプス(物忘れ)スリップ

エラーの一般的な原因。 何かをしている最中に別のことに気を取られてしまい元の行為を忘れてしまう。

モードエラースリップ

1つの制御に複数の機能が備わっている場合に起こる。 混乱とエラーを引き起こしやすい。

モードエラーはデザインのエラー、デザイナーはユーザーの活動を妨害するものに常に対処しておかなければならない。

ミステークの分類

間違った選択をしたり、状況を間違えて把握してしまったり、関連する要因をもれずに考慮する事ができないような場合の事。

人間の行動は主に3つに分類される byイェンス・ラスムッセンデンマークのエンジニア) スキルベースの行動は、熟練していてほとんど無意識的に行われる行動。エラーの原因はスリップであることが多い。

知識ベースの行動

既存のルールやスキルの知識に対する行動。この際に、知識レベルで想定外のイベントが発生した際にエラーが起きやすい。

ルールベースの行動は、「もし〇〇なら【適切な□□】をする」などの場合に、間違ったルールを適応してしまうとそれがミステークとなり、ルールの実行時にエラーとなれば、たいていスリップとなる。

ルールベースのミステークは回避が難しい。

デザイナーは現在の状況を、明確に一貫した簡単に分かる形で(理想的には)図形で表示してガイドする。←ソレはとてもむずかしい

事後的意思決定→事象が起こったあとは、何が起きたのか知っているため、どの情報が妥当であるか・そうでないかを容易に選び出すことができる。 事象発生中は、多くの関連した情報より、あまりに多い無関係なノイズに圧倒され、どれに耳を傾けるべきなのかは判断できない。

デザインのチャレンジ>システムの状態(監視している機器、乗り物、プラント、あるいは動き)についての情報を、取り入れやすく、解釈しやすく提示しながら、また同時に違った面からの説明や解釈を提供することにある。

知識ベースのミステークは、状況が新しすぎて適応できるルールやスキルがない時に起きる。 新しい手順を考案しなければならないため、行動は意識的なものとなる。解決法として、マニュアルなどを用意する必要もある。

記憶ラプスのミステークは、割り込みによって現在の状態の評価を忘れてしまい、ゴールやプランが間違ったものになりスリップではなくミステークとなる。 関連する情報を継続的に利用できるようにして防ぐ。

"社会的圧力は、誤解、ミステーク、事故につながる"

テネリフェ島の事故の件が例として上げられている。身近な部類としてダイバーの重りと浮力の話も。

トヨタ生産方式 自動化(ニンベンのついた自動化)

エラーを報告させ、次の工程に影響を及ぼす場合には全製造ラインを停止する。 エラーをみつけるため何度も「なぜ」を繰り返す。 エラーを報告しなかったものを罰する。

初心者はスリップよりミステークを犯しやすい

熟練者はスリップを犯しやすい

"マルチタスクはパフォーマンスの低下、エラーの増加、質と効率の日常的な不足が起きるという証拠が既にある。"

↑実際そうなんだけど、そうしないとならない状況が多いからなんともいえん。

警告のシグナルのデザイン

気づいてもらうほどに大きく、あるいは明るくしなければならないが、迷惑や注意散漫になってしまうほどにはしてはならない。 注意をひくと同時にシグニファイしているイベントの性質についての情報を伝える必要がある。

アンドゥーは電子システムの中でエラーの「影響」を最小限にする最も強力なツール

↑1日に何回アンドゥーしてるんだろう自分は…

レジリエンス・エンジニアリング

外的要因に対して、破壊とダメージを最小限におさえ、サービスを復元できるようにデザインすべき。

自動化のパラドックス

自動化は単純でつまらない作業を肩代わりしてくれるが、複雑なものでは失敗する、

"自動操縦の車によって事故や怪我は減らすことができるだろうが、もし事故がおきたら、巨大なものになると予想される。"

第6章 デザイン思考

ほぼコレのために読み始めたようなもの。 何かを設計するときに、問題の原因をさぐり、発散・収束させて適切な解決策を導き出していくプロセス。なのかな? 与えられた課題について考える前に、その課題について掘り下げて本当の課題を見つけてより精度高く問題解決していこうッて言うような話だと思ってる。

解決を求められる問題は常に本当の”問題”ではなく”症状”である。

デザインにおいての成功の秘訣は、なにが本当の問題なのかを理解すること。

我々デザイナーが焦点を当てるべきことは、作りだされたものが、人間の展望、ニーズ、能力にあっていることを確実にするすること。 我々はなぜ製品を作るのか=人が使うため

デザイン思考のプロセス

対処すべき基本的で根源的な課題は何かを見極める>本当の問題が何であるかを見定めるまでは解決を探さない>立ち止まって広い範囲から可能な答えを探す>最終的に提案を収束させてく

《デザイン思考の協力な道具》

人間中心デザイン(HCD)

望みのタスクを完成させ、使用経験がポジティブで楽しい、ということを確実にするプロセス 正しい問題を解決することと、それを人間のニーズと能力を満たすやり方で行うことに重きをおく。

ダブルダイヤモンドモデル

正しい問題を見つける→正しい解決を見つける この2つのフェーズアプローチのことを「英国デザイン協議会」がダブルダイヤモンドと呼んでいる。

4段階のプロセス

正しい問題をみつけるフェーズ 探索、定義 正しい解決策をみつける発散と収束のフェーズ 展開、提供

人間中心デザインプロセス

観察、アイデア創出、プロトタイピング、テスト

観察

デザインされた製品やサービスが実際に使われると想定される場所での観察 興味、動機、真のニーズを理解する 人々が達成しようとする目標、体験する障害を深く理解する。

応用エスノグラフィ

観察対象者の年齢、学歴、収入以上に重要なのは、行われる活動。広く異なった文化の人たちを見ても、その活動は似通っている事が多い。 ローカルな環境と文化が活動をどう変えているかを考慮しつつも、活動自体に焦点を合わせる事ができる。

デザインリサーチはダブルダイヤモンドの両方を支える。

正しい問題をみつけるには人々のニーズに深く理解を必要とし、適切な解決策を見つけるためには対象となる母集団と人々の活動の仕方、能力や以前の経験、文化的な影響なのに理解を示す必要がある。

2つの異なる調査方法

1. 質的観察方法 時間がかかるため通常は数人を調べる

2. 大規模な量的調査 質問紙や意識調査で数100人を対象として調べる

体系的で定量的なマーケット分析

ビッグデータ、マーケットアナリティクス、ABテスト

"デザインの仕様には、マーケティングとデザイン、購入と使用の両方を加味しなければならない。"

イデアの創出

ブレストが一番
  • 数多くのアイデアを創出せよ。
  • 制約を気にせず、創造的であれ。
  • あらゆる事を質問せよ。

プロトタイピング

イデアが本当に妥当かを知る唯一の方法はテストする事 解決策に対して素早くモックやプロトタイプを作る。

ウィザード法

製品開発の初期に力を発揮する 全能のようで全て偽りである

テスト

対象となる母集団に出来る限り一致する小グループを作る 実際に使用するのに出来るだけ近い方法でテスト 通常一人で使うものなら一人づつテスト グループで使うのが普通ならグループでテストする 二人組になってもらって、使用する側、操作を支持する側になって、結果を声に出して報告する。 調査後は歩みを辿って行動を思い出してもらい、質問をして人々の思考プロセスの、より詳細な情報を取得

調査人数は5人くらいが理想。5人を個別にテスト、改善後、別の5人でテストを繰り返すことで複数回の反復となる。

反復

  • 役割=継続的な改良と拡張ができるようにすること
  • 目標=ラピッドプロトタイピングとテスト
  • IDEO デイビッド・ケリー「たくさん失敗し、素早く失敗する」

入念なテストと修正によって物事がよくなる 失敗は推奨されるべきであり、それを失敗と呼ばず学習経験と呼ぶべき

正しい要求(正しい問題と適切な解決策)は人が自然な環境にいるところを観察することで作られる。

人は必要な物事を考えるとき、自分たちが直面する日常の問題を考え、大きな失敗や大きなニーズについてはめったに気づかない

調査とテストを繰り返す

観察し、調査する。どこが機能し、どこが機能しないか見分ける。繰り返すことによってアイデアは明確になり、仕様がはっきりし、プロトタイプはより製品に近いものとなる。

このプロセスの終了は、プロダクトマネージャーの責任。スケジュールとコストのせいやくをまもりながrあ満足のいく高い品質のデザインを得るのはデザインチームの責任。 どれだけ多くの時間が費やされようが、最終結果は締め切りの24時間前に出てくるもの。

↑まぁねw

活動中心デザインと人間中心デザイン

活動中心デザイン=全く異なる、異質の人々すべてに適応できるようにするデザイン

↑自動車、PC、電話、テレビなど。多少の地域差はあれどほとんど同じ製品。 なぜうまくいくのか?それは世界中の人間の活動は概して似通っているから。 勝手で不可解な要求を持つようなシステムを学ぶのを嫌がるが、活動に不可欠と思えるものは喜んで学ぶ

自動車は複雑な操作を要求するけど人は車の運転をとてもうまく学習するという例が紹介される。

物事をよくするには活動を注意深く研究すること

タスクと活動の違い

"活動はタスクの集合体"

あー、そう考えると活動っていうものを捉えやすいね。 そんで改善できる部分などを観察する際もタスク別に重点を置いて観察できるし、俯瞰してみる際にも的がズレないんじゃないかな。

目標のレベル

  1. あるべき目標
  2. 実行目標
  3. 動作目標

iPodの例が紹介されてる。

"デザインの要求が活動と調和していたら、人は複雑さに耐え、何か新しいものを学ばなければならなくても我慢する。"

ザックリ言うとコレしかない需要の上位互換だね。そんで、その中にはテクノロジーの進歩とともにどんどん完全されて言ってるっていうお話。

反復デザインと線形ステージ

伝統的なウォーターフォール法>ステージゲート法

フェーズで区切られて、管理レビューで進捗が評価され次のステージへ向かうかの判断がなされる。

広告の時の話だけど、大きいクライアントとの仕事で、管理レビューにはいると全世界の重役をたらい回されて1ヶ月止まるとかザラだったな。よくよく考えると、カンプをざっくり作って担当プレゼンして修正を繰り返して次のフェーズにいって、そこで精度上げて…を繰り返して最終的に納品してたな。あれはあれで一概に悪いとはいえないやり方だったのかなー。

DAノーマンの製品開発における法則

めっちゃあるあるだわ。。

デザインの挑戦

人のためのデザインの基本原則はすべての分野を通して同じ(カメラのデザインから会社の組織構造のデザインであっても)

製品は複数の矛盾する法則を持つ

製品を購入する顧客は必ずしもエンドユーザーというわけではない。(エアコンを使用するのは住人でも、購入するのはアパートのオーナーかも知れない) 購入する人を調べることは、使用する人を調べることと同様に非常に重要。 すべての部門の代表者が、デザインプロセスのすべての間同席・共有することで全ての人を満足させるデザインができ、対立や懸案事項が発生しても、グループが一体となって満足の行く最善策を決めることができる。

スティグマ問題

特定の困難を抱える人に対する支援機器は、うまくデザインできて問題を解決できる製品でも、実際に使用してもらいたい人々からは居易される場合もある。人は自分の弱さを認めたがらないからである。負のイメージ=スティグマ

複雑なのは問題ではなく実際は混乱(わかりにくさ)が問題

  • 複雑なもの=我々がそれに合わせる必要があること。
  • 混乱=わかりにくいこと。

標準化は使いやすさの主要なブレイクスルー

  • 標準化は時間がかかるが必要(時計のルール)
  • 標準化に時間がかかるとテクノロジーが追い越す(HDTVの標準化の例)

はい。

と言う感じで、気になった部分のメモと、勝手なコメントが入り交じる雑なまとめでした。

あと第7章が残ってるんだけど色々忙しいのでまた今度。